猫印硯工房 硯の分類



  当ホームページでは、大きさや形状によって、硯を
 「自然・角型硯」「つるつる・変わり硯」「すんなり
 した硯」というふうに分類しております。 目安程度の
 分類で、あちこちにまたがるような品もあります。 
       
 このページには、それぞれのタイプの特徴や、生まれた
 きっかけなどをまとめてみました。
 お好みの硯を見つけていただく際に、役立ちましたら
 幸いです。
 

  
 
ご自分用の硯をお探しの方へ
        
 お好み・用途・腕力など、重きをおく要素は
 いろいろあるかと思います。
 ゆっくり、楽しみながらお考えいただいて、末永く
 ご愛用いただけるひと品をお選びくださいませ。



 
贈り物用の硯をお探しの方へ
        
 先様のお好みや使い方がお分かりでしたら、
 選びやすいかと思います。
 お分かりでない場合は、たとえば遊び心の感じられる、
 小さめの硯を選んでさしあげる、などというのは
 いかがでしょう。

 「硯が変われば、気分も変わる」という言葉を
 教えていただいたことがあります。 自分では
 選ばないような硯も、面白いかと思います。



  
」マークのついた品は在庫があり、写真を
  クリックしていただくと、個別の紹介ページを
  ご覧いただけます。


          
(2015年 9月14日 新設)
         (2020年 1月19日 更新)



  
1.自然・角型硯

      
             
 
↑並硯の例(自作)     彫刻硯の例↑(畑地 勝師作)

  
熊野市神川町で以前から作られている硯の多くは、
  「並硯」と「彫刻硯」の2種類です。
  「並硯」は、切ったり割ったりで台形の板状にした
  石の内側を、卵形に彫って陸と海を作ったもの。
  「彫刻硯」は、基本は並硯で、上面に鶴亀や
  松竹梅などを線彫り、または浮彫りにしたもの。
  卵形の蓋を付けたものもあります。
 
  「並硯」は、原石の質感・存在感が生かされる
  デザインで、作る手間は少なめです。 また
  大きさによって、1号・2号・…と分けられて
  価格が決められておりました。 
  作りやすくて売り買いもしやすい。
  土産物用として昔は量産され、よく売れていた
  そうです。大阪万博(1970年)の頃には、
  寝る間も惜しんで作ったとか、できるそばから
  仲買人が持って行った…といった話を、
  師匠方から聞きました。

   
「彫刻」に対しての「並」。 普通の硯、という
  だけの意味なのですが「質的に、あんまり良くも
  ない」という印象も若干受けます。  なので私は
  この名称は使わず、「自然・角型硯」としました。

  使い勝手を考えて、昔のものより海・陸を広く
  とっております。 大きさや形、内と外の比率も
  (揃える必要がないので)様々です。
  あまり手を掛けていないぶん、価格は控えめです。
  「自然なままに残された石肌が良い」「遊び・
  余裕が感じられる」と喜んでいただけたことも
  あります。  最近は、上面を平らに整えた品も
  よくお選びいただきます。

   
近年のタイプ

    
 

  ↑NO.0407★ ↑NO.0447 ★ ↑NO.0478


  
2.自然・丸型硯

        
   ↑NO.0458     ↑NO.0402

  
角角、ごつごつした石肌も良いのですが、つるり、
  ころりとした姿も好きです。 機械や工具に慣れ、
  フォルム作りがある程度自由になってから、この
  タイプを好んで作るようになりました。
  川の流れで角が取れた石、といったイメージです。
  上面は石肌を残して自然な感じ、周囲に触れると
  つるつる、すべすべ。 感触の違いをお楽しみ
  いただけます。
  比較的厚めに仕上がるものが多く、手に持つと
  「案外、重い…」と思われるかもしれません。



  
3.小型硯

       
          
 ↑少々昔の品々です

    形状は様々、おおむね10センチ以下の硯たち。
  普段墨を磨らない方にも「可愛い」「すてき」と
  言っていただけたりするタイプです。
  「使ってみたい」と思っていただけたら、これ幸い。

  小さい割にはお値段が…と思われることもあると
  思います。 小さいのですが、手間暇はかかって
  おりますので、なにとぞご了承ください。 
  お子さんの洋服と同様かも知れません。
      
  墨は「青墨 絵てがみ」などを使うと、雰囲気も
  磨り心地も良いです。 小筆ですと墨液はさほど
  使いませんので、お手紙などもお書きいただけます。
  海が大きめのものもあります。

 
★「般若心経」を市販の写経用紙1枚に小筆で書く
 際に必要な墨液は、2~3ml程度です(筆圧など、
 個人差は あるかと思います)。


  
ご高齢の方など、「軽い硯がほしい」と言われる
  こともあります。 書道教室に持ってゆくためで
  あったり、またお家使いでも、手の力が落ちてきた
  から…というふうに。 
  そういった方のお気持ちや、ご不自由さも、寄る
  年波で、だんだん分かるようになってまいりました。
  みなさまにとって使いやすい硯を、作ってゆきたい
  です。


  
4.つるつる・変わり硯

          
    ↑NO.0393
     ↑NO.0320

  自然な面が全く無い、または ほんの少々しか無い硯。
  おおむね つるつるで、丸型・卵型・楕円型などが
  多いです。 とはいえ左右対称ではなく、あまり
  整えずに、ふわっと作っております。 ふち は厚め
  (幅広)。やわらかで、穏やかな印象です。
  もっと整えてゆくと、「5.すんなりした硯」の
  ような形状になります。



  
5.すんなりした 硯

        
    ↑NO.0279     ↑NO.0427

  
ふち は薄め(細め)、比較的すっきりと見えます。
  いろいろ削ぎ落とされているので、大きさの割に
  軽いです。 (NO.0412あたりは そうでも
  ありませんが、他には入れ辛いので、ここに入れて
  おきます。 また「1.自然・角型硯」のNO.0419
  も、ここに入れるべきかも知れません。 自然な
  ふちのおかげで「すんなり」とは見え辛いと思い、
  あちらに入れております。)
    
  しばらく前に「書道教室に通う小学生にあげたい」
  というご希望に適う硯が無くて、お応えできな
  かったこともありました。
  また、「5.小型硯」で書いたように、最近は
  重さが気になっております。
  しっかり磨れる大きさで、だけど軽くて、あまり
  お高くない硯を…と考えて作ったのが、
  NO.0427のようなタイプです。(けれども
  そのわりに、あまりお安くもできませんでした。
  相済みません。)

  4つの角に自然な割り面を残しており、ふち を
  きっちり整えていなくても程良くまとまっている
  ように思います。 裏面を薄くタガネで飛ばして
  軽量化を図っているものもあります。
  
  きっちりした長方形の硯を手作業で作るのは、
  とても大変です。
  完璧にできれば、それは美しい。
  ですがまぁ、それはそれとして。
  感じが良くて、お求めいただきやすい硯を
  作ってゆきたいです。


  6.ふっくらした硯

  
       
↑ NO.0364
 ↑

  好みで言うなら、とても好きなタイプです。
  ふっくら丸くすると、那智黒石の魅力が十二分に
  現れて とても良い、と思います。
        
  ただ、厚くなるぶん、重くなるのです。
  制作時にも気になって、底面を気持ちばかり
  削ったりもしておりますが、それでも重い。
  小さめの品ならともかく、1キロ近い品などは
  か弱い方には少々辛いかもしれません。


  7.つやだしをしていない硯

        
   ↑NO.0344  ↑NO.0385

  大半の硯の表面には(海・陸を除いて)、磨き・
  洗浄後に、石材用の つやだし(ワックス)を
  施します。 これによって表面が保護されて美観が
  保たれ、墨液などの付着を防ぐこともできます。
  
  磨いているうちに、これは つやだし無しのほうが
  感じ良いな…と思われると、さらに磨き込んで、
  仕上げます。 

  全面つるつるで しっかり磨き込まれた石には、
  控えめで やわらかい、感じの良い つやが出て、
  きれいな状態を保つことができます。
  汚れたときにはスポンジや棕櫚のタワシで
  こすり洗いしても 大丈夫。 NO.0385は
  層の具合で、普通より つやつやしています。
          
  昔から那智黒石を扱っている業者さんなどから
  見ると、この自然な つやでは物足りなく
  感じられるようです。 素顔が好きか、お化粧した
  顔が好きか、というところでしょうか。


  8.ふちのない 硯

      
   ↑NO.0322  ↑NO.0362


  ふち も海も無い板状の硯は、「硯板」「板硯」と
  いう名で、昔からあります。
  みなさまも、ごく少量の墨液を使いたい時には、
  陸の上だけで済ませることが おありかと思います。
  小さめの硯箱に上品に納められる感じの、ほんの
  ちょっと書き用として作ったのが、これらです。
   
  漆芸家・泉 泰代さんのご希望でお作りして、雑誌
  『和樂』に載せていただいたのがNO.0322に
  近い品でした。
  これらにも、つやだしは施しておりません。
  上面のほとんどが陸状で、ふち に当たる外側の
  部分を残して わずかにくぼませて、墨が磨れる
  ように みがいてあります。
  磨った墨液を海に落として溜めても良いですし、
  海に水を入れておいて、使用中に濃くなってきた
  墨液を薄めながら書いても良いかと思います。
        
  海が猫の足跡になっているものは、お客様の
  アイディアです。 以前から、硯表面に飾りとして
  足跡を彫ることはありまして、それを海にしては
  どうかとのご提案。なるほど!でした。
     
  お客様のご依頼を受けて、大きめの硯板を作った
  こともあります。 「大型の墨を、心行くまで
  濃く磨りたい」とのご希望でした。
    
  お客様お手持ちの硯板を、普通の硯に彫り直した
  こともあります。「普段使いやすいのは、やはり
  海も陸もある四角い硯」とのご希望で。
   
  使い方やお好みは、様々です。


  9.猫の手硯

    
        ↑NO.0369↑

  「10.猫の足跡付き硯」をお求めいただいた
  お客様から「次は、浮き彫りで見てみたい」と
  言っていただいて、挑戦してみた品々です。
  具象は難しいので、抽象的に。
  作った身から見ますと、なかなか可愛く思われます。
        
  ガチョウ、亀、蝉といった生き物をかたどった品は
  昔から中国硯によく見られます。
  猫型の硯も写真で見たことがあります。
  完成度高く、猫好きの方にもご納得いただける
  ようなものが出来れば良いのですが、難しいです。


  10.猫の足跡付き硯・共蓋硯

     
         ↑NO.0357↑

  神川町の師匠が、工具を使って表面に梅の花を
  あしらった硯を作っておりました。 猫の足跡は
  その応用です。
       
  お客様から「子猫が硯に前足を載せている姿が
  見えるよう」とのご感想をいただきました。
  超嬉しかったです。
        
  共蓋硯につきましては「参考商品」のページでも
  触れております。蓋と身とをきちんと合わせるには、
  手間暇と腕力が必要。 何年も前に作った品々で、
  ほかに少し在庫はありますが、今後作ることは
  なかなか難しいかと思われます。


   
11.大きめ硯・墨池   

     T-01
    ↑NO.0508
       ↑墨池T-01

   
大型の墨をしっかり使いたい場合には、それなりの
  大きさの硯が使い良いかと思います。
  しかし、しつこいようですが、大きい硯は重いのです。
  磨るときには良くても、洗うときが大変です。
  中くらいの硯で磨って、墨池やほかの容器に溜める、
  という方法もあります。
    
    (現在、墨地は在庫しておりません。)




         
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